「国連女性の地位委員会(Commission on the Status of Women, CSW)」の第68回年次会合(CSW68)が3月11日から22日まで米ニューヨークで開かれている。外交部(日本の外務省に相当)はこれに合わせ、台湾のNGO団体と連携し、「台湾ジェンダー平等ウィーク(Taiwan Gender Equality Week, TGEW)」と銘打った一連のイベントを実施。目玉のイベントである「TAIWAN MAIN STAGE(フォーラム) & CULTURAL NIGHT(台湾文化の夕べ)」が米東部時間の13日夜、駐ニューヨーク台北経済文化弁事処で行われた。フォーラムは「女性のフィナンシャルレジリエンスの強化(Fostering Women and Girls’ Financial Resilience)」がテーマで、エスワティニ王国のトゥリ・ドラドラ(Thulisile Dladla)副総理、台湾金融研訓院の黄崇哲院長、国交樹立国及び友好国の政界要人、重要な国際NGOの代表らが講演と対談を行った。
フォーラムの第1セッションでエスワティニ王国のドラドラ副総理は、エスワティニ王国は台湾の揺るがぬ盟友であり、台湾は自分たちにとって経済面での協力と発展のための重要なパートナーだと指摘。また、台湾は様々なNGOと提携し、エスワティニ王国の女性のニーズを満たす金融資源、技術面での支援、訓練計画を提供していると説明した。米国務省で国際女性問題担当大使を務めたケリー・クリー(Kelley Currie)氏は、女性のエンパワーメントが一つの国家の成長と繁栄の見通しをいかに改善するかを台湾はインド太平洋地域での実例で示したと説明、台湾はまた、「グローバル協力訓練枠組み(GCTF)」の下、米国及びその他パートナーたちと共に世界における女性の平等ならびにその経済的エンパワーメントを促進する各種プロジェクトを行っていると称賛した。リトアニア外務省インド太平洋局のJulius Pranevičius局長は、リトアニアと台湾は理念が近く、共に民主主義と自由の最前線に立ち、法の支配と人権の維持に努めていると説明。また台湾は全世界の女性のエンパワーメントを積極的に推進しており、「台湾ジェンダー平等ウィーク」もその重要な取り組みの一環だと評価した。
第2セッションでは台湾金融研訓院の黄院長と国交樹立国の政界要人、そして重要な国際NGOの代表が対談。セントビンセント及びグレナディーン諸島のOrando Brewster社会発展及びジェンダー問題大臣はビデオメッセージを寄せ、台湾が同国と共同で女性のエンパワーメントに関するプロジェクトを進め、同国の女性たちが専門のスキルを習得するのを助けていることを紹介。それにより女性たちは経済的な独立と平等な就業機会を獲得し、貧困問題も緩和されたと説明した。そして、「政府と国民は一致団結して台湾を支持すること、そしてセントビンセント及びグレナディーン諸島の女性の権益を共に守っていくことを約束する」と述べた。
ベリーズのCarlos Fuller国連常駐代表は、台湾とベリーズの活力に満ちた民主制度が両国の友情をいっそう強固にしていると強調。合わせて台湾の国際合作発展基金会(ICDF)がベリーズの零細・中小企業の女性経営者を助け、アフターコロナの経済立て直しを支えていることに感謝した。台湾金融研訓院の黄院長は、「Empowering Females Financial Well-Being from Girl to Women」と題して報告、台湾がインクルーシブファイナンス(金融包摂)の概念で女性に経済的エンパワーメントをもたらし、女性の永続的な独立性と経済力を高めた成功例を紹介した。国際NGOである「Outright International」のMaria Sjödin執行長は、「台湾は民主主義の活力に満ち、ジェンダー平等の分野でリーダー的地位にある。その実績は2021年の世界とアジアの平均を上回る」と指摘した。
外交部による「台湾ジェンダー平等ウィーク」イベントは13日夜の「TAIWAN MAIN STAGE & CULTURAL NIGHT」のほか、14日には「ジェンダーイノベーションの夕べ」を行い、ニューヨークの若者たちのコミュニティーと対話した。また、台湾のNGO31団体と3つの地方自治体がCSWの開催期間を通して33回に及ぶ会議を開催。そのうち19の会議は対面式で行われ、国際社会に向けて台湾がジェンダー平等に取り組む努力とその豊かな成果について発信することにしている。